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北穂高小屋の木製テラスが新しくなりました。
昨年の8月20日に建物と敷地の調査からちょうど1年。
その間に、環境省・文化庁・森林管理署・長野県等へ許認可の申請を提出し、
許可をいただき、今年のシーズン初めから小屋の方達で工事をおこなって、
やっと完成しました。
リニューアル前のテラス リニューラル後のテラス
テラスのある位置は宿泊棟の東側に、登山道を挟むようにあります。
リニューアル前のテラスでは、登山道を行交う人と、テラスで休憩中の
人達や小屋への出入りの人達が交錯してしまい、なんとなくガサガサとして落ち着かず、
休憩所としてのテラスが十分に機能していない様でした。
今回のリニューアルでは、テラスを東側の石積から柱脚を建てて出すことで、
宿泊棟とテラスの距離を以前よりも広く確保でき、登山道の幅がとれる様になりました。
またテラス自体も幅・奥行とも長く広くして、休憩の方がゆっくりとくつろげるようになりました。
「安全な登山を楽しむ為には、十分な休憩が必要不可欠です。」
このテラスは小屋のご主人が経営からの面だけではなく、そのような想いでつくられました。
今回はトイレの便槽カートリッジをヘリコプターでの回収を見ることができました。
トイレ棟のデッキから、カートリッジを釣り上げた瞬間です。
山岳環境の保全。登山者の安全。
数か月前に各省庁の行政事業仕分けが行われ、山岳環境保全の補助金が廃止となりました。
インターネットでその時の様子を見ましたが、現状を無視した廃止ありきの会議で、
釈然としない感じを受けました。
山小屋は民間の個人営業が多く、国の補助金を投入する事は公平性がないとの考えもありますが、
山岳環境の保全を山小屋の経営努力だけで何とかしろという考えには同意できません。
受益者負担も考えられますが、環境に配慮したトイレの維持費や、特異な環境下での建設費を
補う事は、民間では無理があるのではないかと思います。
また、山小屋は緊急避難等の場でもあります。
登山者が体調不良などで動けなくなったり、
滑落者があれば、山小屋の方が救助に向かうこともある様です。
安全に登山ができる様に登山道の要所にマークを付けたり、浮き石の除去、橋の整備なども山小屋の方達が行っています。そして山小屋には山岳パトロールの方達に、施設の一部を提供しています。
ですからとても公共性の高い施設であると思います。
美しく、訪れる人々に感動を与えてくれる北アルプス。
この素晴らしい環境の維持。
そして安全に登山を楽しむための施設の維持を一部の方々に担わせてしまってよいのでしょうか・・・